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フランス生活26日目

2007/04/27(Fri)17:53

Le 27 avril 2007

昼食にポトフ屋でポトフを食べず、ブイヨンスープとタルトタタンのみを食べたあと、邸宅に帰る。

帰宅後、30分程して、鍵がないことに気付く。
あるはずの鞄の中に、邸宅の鍵がない。確かに自分の鍵で扉を開けて入ってきたのだから、30分前までは確実に手元にあったのだ。どうせ鞄の中のどこかに埋もれているのだろうと、落ち着き払って鞄を隅々まで探してみるも鍵は見当たらず、来ていた服のポケットや、買い物袋の中にもない。そろそろあせりだした私は、鞄の中身をベッドの上に全てひっくり返し、鞄を折り曲げたり、逆さにしたりしてどこかに隠れているはずの鍵を探した。それでも見つからない鍵はもしかしたら、扉に挿しっぱなしにしてきたのかもしれないと、入口をあけてみるが、鍵穴には私の鍵は見当たらなかった。

自分で言うのもなんだが、私は大事なものをなくしたことはない。いや、ほとんどない。
「大事なもの」の尺度はもちろん人によって異なるため、ひとくくりには出来ないが、今回の「鍵」は”借りたもの”ということ、”生活を守るための道具”ということもあり、非常に「大事なもの」だったわけだが、それをなくしたとあって、私はかなり焦った。

邸宅に残っていたスペイン人の女性アーティストに尋ねても知らないといい、制作活動に没頭していたフランス人アーティストに尋ねても見ていないという。

「でも、心配しなくても大丈夫だよ。大したことじゃない」という彼に

「けれど、もし鍵穴に挿しっぱなしにしたものを誰かがもっていったのなら、いつでも入れてしまうのよ!」と切り返してみるが、

「まぁ、それも可能だけど・・・、大丈夫、心配しないで」と言う

彼には責任がないからか、そんな能天気なことを言っているが、こちらとしては大いに事件なため、必死の形相をしていたのであろう。結局、この邸宅の管理者的存在のフェイサルは仕事中だったため、どこからか彼女であるカポニを見つけてきてくれた。事情を話すと、彼女からも意外な答えが返ってきた。

「大丈夫よ、大したことじゃないわ」

結局同じ説明を繰り返すも

「でも、ここは外のゲートにもコードがいるし、鍵には住所なんて書いてないから大丈夫。あなた外出するのだったら、この鍵を使うといいわ」と違う鍵をよこしてくれた。

鍵を無くしたことで外出を諦めることを考えていた私に彼らは
「大丈夫、大丈夫、いってこい」と言う。

フランスは泥棒も多いけれど、アーティスト達の邸宅には金目のものがない(かどうかは知らないが)から相手も場所を選ぶだろうという安心感があるのだろうか?どちらにせよ、拍子抜けした私は、その言葉に甘えて出かけることにした。

少し落着いたため、もう一度自分の行動を振り返り、やはり鞄の中以外考えられないとメトロの中で先ほど散々探したその中を探ると手に固いものが当たった。あわててその固いものを取り出すと、それは私のなくした(と思っていた)鍵だった。

結局、そんなものである。

迷惑をかけてしまったことを恥じながらも、これで泥棒への恐怖に悩まされることもないと、心の底から安堵した。

こうまでして出かけたかったのには理由があり、そこに行くのはどうしてもこの日でなくてはならなかった。
人には誰でも秘密があるが、私もこれをささやかな自分の幸せのためにとっておこうと思う。

皆さんも、フランスに来られたら、そんな自分だけの場所を作られてはいかがでしょうか?

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