Le 17 avril 2007
6h30に起床、EtapHotelを後にする。前日に清算を済ませてあったので今朝はフロントにも寄らず(人がいなかったこともあり)そのまま外へ出た。
8h14のPerigueux(ペリグー)行きの電車をとるために駅に行ったところ、掲示板にその電車の情報が乗っていないのに気付く。それ以降の電車の情報は既にのっているため時間が早すぎるわけでもない。時間がずれたのかと案内所へいって確認すると、「
バスに変わったから駅の裏側に出て待っていて」と明るく言われる。そうか、良くあることなのだ・・と不本意ながらも納得し指示された場所に行ってみるが、バス停らしきものが何もない。不安になり、通りかかった人に「
バス停はここでいいのか?」とたずねると、「
普通は駅前だから逆だよ」と言われ「
けれどこの出口から出ろと指示されたのだけど」などと押し問答していると、同じ電車のチケットを持っているらしき女性が「
もしかしたら、一緒の電車ではないかしら、それならここで待てと私も言われたから間違いないわよ」と言って私を安心させてくれた。
8h25にバスがくるというので待っていると、同じような境遇の人がポツポツと増え、しまいには十数人になっていた。しばらくすると、先ほど私ににこやかに電車の変更を告げた国鉄員が現れ、なにやら説明をしている。隣の女性に何を言っていたのか尋ねると、原因は地方によるgreve(ストライキ)であること、バスは遅刻し8h50に到着することなどを教えてくれた。
『greve』(グレーブ)
greve・・・ フランスでは良く聞く言葉だけれど、この迷惑な労働者のストライキに遭遇したことはこれまで一度もなかった。そのため、「ああ・・これが噂の・・」「やれやれ、こまったものだ」などと思っていると、周りにいる人々も口々に「ほんとに我慢できないよ」とか「信じられない」とか言っている。フランス人にとっても、自分の都合を余儀なく変更されるこの種の出来事は迷惑この上ないようである。
ここで面白いのが、同じ国鉄員であるボルドーの駅員はすまなそうな顔をしながらも、「自分達も状況が把握できていないから、本当に困っているのだ」と言うのに対し、周りの人々は苛立ちながらも、彼の立場を理解しており、むしろ同情すらしていたところである。日本で言う”連帯責任”という感覚は、こちらでは理解されないかもしれない。
ところで、私は10hからペリグーで自動車を借りる予定になっていた。遅れる場合は連絡して欲しいといわれていたので、携帯で事務所に電話し遅れそうだと理由を告げると、「それでもあなたのために車は取ってありますから、問題ありませんよ。わざわざありがとう」と返され、ほっとする。
結局9時過ぎに”駅前”に到着したバスに乗り、霧の立ち込めるなか山間の道を進み、結局ペリグーに到着したのは11時頃だった。早くレンタカーを取りにいきたかったが、この地方のストライキと聞いていたこともあって、明日乗るつもりの電車がちゃんと動くか駅員に確認したところ、こちらの話しも聞かず「遅延証明書」(Attestation de retard)を作って渡される。「
そうじゃなくて、明日の電車を予約しているのだけど、これは動くの?」と聞くと、駅員同士顔を見合わせて「
そんなことは今分からない」と肩をすくめ「
明日の朝、いや今日の夜ごろには分かっていると思うからまた確認しに来て」といわれる。本当にアバウトでもういい加減にして欲しいとうんざりしながら、まぁ明日のことは明日考えればいいと駅を後にし、レンタカーを借りにいく。
駅前すぐの場所にあるHertz(ハーツ フランス語発音ではエルツ)に入ると、待ってましたとばかりに感じのすこぶる良い店員が色々と手続きをしてくれた。ラスコーまでの道のりは簡単かと聞くと、「
ああ、とても簡単だよ。この駅前の道を進んで、あとは”Prive(プリブー)"行きの看板に沿ってすすんで"Theon(テオン)"の信号で"Montignac(モンティニャック)"方面にすすむだけだよ」と説明してくれる。
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■レンタカー手続き■
①日本から予約
②現地で借りる際にまずカードの保障をとるために同意契約で700ユーロでカードが切られるが、これは車を返した際にキャンセルされ無効となる
③契約の際に任意保険に入るか聞かれるため、希望があれば加入する
④契約書を作成し、車の説明を受けて、現時点で車に傷がないことなどを確認し同意書にサイン
⑤乗車
⑥返却するまに指示されたガソリンを入れる
⑦返却。車を点検後清算。レンタカー料金、保険料等新しくカードが切られ、最初の700ユーロのカード契約はここで無効となる
■最終内訳■
車種:Modele RENAULT CLIO Ⅲ
料金:1日レンタル料 28.68ユーロ
車両・盗難保険 28.52ユーロ
傷害保険 6.69ユーロ
道路税 2.1ユーロ
フランス国税 12.93ユーロ
(トータル) 78.92ユーロ
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Clioの横顔とおしり
ドキドキしながらファーストドライブ in フランス
初めての左ハンドル、右側通行、ロンポワン(交差点が円形になっているようなもの)
幸いマニュアルは日本で十数年運転しているためあまり抵抗感はない。いきなりの坂道発進ながらも順調に発信し、運転を開始。最初の曲がり角でいきなり一方通行の道に入ろうとしヒンシュクをかうが、その後は順調にモンティニャックへの行程を進めることができた。途中2、3ヒヤッっとすることはあったものの、Hertzの店員のいっていたとおり道はとても分かりやすく、田舎道のため新緑や牧場で草を食む牛や羊を眺めることができ、大変気持がよい。この季節はちょうどglycine(藤の花)が満開を向かえ、そこかしこで紫色の藤が壁をつたい、柔らかい香りをはなっていた。フォアグラの産地であるこの地方では、フォアグラ生産農家の多くも看板を掲げており、興味があれば足を向けるところだけれど、無理やり飼料をつめられている家禽を見る気には到底なれず、それでもフォアグラは美味しいと思う私は矛盾しているなどと思いながら横を通り過ぎる。
モンティニャックまでの道の風景
『LascauxⅡ』(ラスコー2)
ラスコーの洞窟を形状、テクニックと共に極力元のものに近い形で復元されたコピー
元来のラスコーの洞窟は現在完全に閉ざされており、唯一管理者のみが入れることになっている。
モンティニャックに到着し、早速ラスコー2の洞窟見物のためのチケットを買うために観光案内所に向かおうとするが、車をとめていいか訪ねた初老の男性に14hまでは案内所が昼休みで閉まっていると聞き、近くのレストランで昼食を取ることにする。
14h過ぎに案内所に行くと予約は15hまでいっぱいで、15h10のツアーに予約を入れ洞窟までは車で15分程のところにあるため、街中で少し時間をつぶす。
ラスコーとこの地方のハガキ
ラスコー2の駐車場
「この場所で起きた、いかなる盗難・問題について一切責任を負いません」
「ラスコー2の訪問者以外駐車禁止」
と書いてあります
早めにラスコー2に到着し案内所に赴くと、日本人の団体客の方々も見えていた。案内所の係りの人が「
この人達と一緒に見れば日本語で案内が聞けるから時間をずらすか?」と親切に申し出てくれたが、レンタカーの返却の時間もあったためできるだけ早く見物したかったので、丁重にお断りし順番を待つ。
やっと順番が来たころには、15h30を回っていて、先ほど断っておいて良かったと思う。
ラスコー2に入ると、ひんやりと湿った空気がまとわりつき、厚手のジャケットを着ていたにもかかわらず体をさすりながら足を進める。まずどういった経緯で発見されたのか、どういった構造になっているか、なぜラスコー2しか見られなくなったのか、どういう手法、材料で壁画が描かれているのかなどの説明を受け、次に実際に模造された洞窟へと進んでいく。洞窟は非常に良くできており、現物を見たことがもちろんないのでそっくりなのかどうかは分からないが、凹凸を利用して描かれている部分や、地層の色を利用して描かれている部分、狭い部分に折り重なるように描かれている牛や馬などの動物は、写真で見るものとはやはり違う感動を伝えてくれる。
ラスコー2の案内所
ラスコー2の入り口(洞窟内は撮影禁止)
思ったよりも狭い洞窟内を40分ほどかけてじっくり案内された後、各自解散。私は早速車に乗ってペリグーに戻り、ガソリンを入れて自動車を返却する。
道路標識
青色が高速 緑色は一般道
翌日も電車の時間が早いため、駅前でホテルを探そうと、Hertzの方に聞いたホテルを訪れて部屋を見せてもらう。25ユーロだという破格のその部屋自体はトイレはないものの悪くないななどと思うが、その部屋の隣にどうやら管理人の部屋らしきものがあり、中はちらかり放題に散らかっており、ベッドの上で猫が餌らしきものを食べている姿を認めて他を探すことにする。
すぐ近くにあったホテルに入り、また部屋を見せてもらうと、そこは非常に清潔でバスタブ・トイレもついており、ベッドも3つあるにもかかわらず料金は1人分でよいという。先ほどに比べると54ユーロと決して安くはないが、ダニなどにアレルギーのある私にとっては清潔優先、ここに決めることとする。
運転の疲れもあってか、ぐっすりと就寝。
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